洗練されたFP 通学
特別損益は、その期だけに発生した損益ですから翌期には、くり返されません。
だから特別利益がたくさんあって結構とも安心とも言えません。
特別損益には土地、建物など固定資産の売却損益や投資有価証券の売買損益、災害損失などが含まれます。
特別損益は金額が大きいので、当期への影響もさることながら、次期以降への影響を考えることが大切です。
例えば経常損失が出ていて、土地売却益でカバーしていたら、当期利益は黒字ですが、次期以降は赤字に転落する可能性が大です。
なぜなら、いくらでも売却できる土地があるわけはないし、本業がうまくいっていないからです。
経常損益に特別利益を加え、特別損失を引くと税引前当期利益(赤字なら損失)になり、これから法人税充当額を引くと最終的な当期利益です。
このように損益計算書は営業利益、経常利益、特別利益、当期利益と順を追って算出します。
これは経営活動の基本的なもの、本来的なものを先に計算することで、現実にそのように損益が順番に発生しているわけではありません。
当期利益を算出したところで損益計算書は終わりですが、実際には前期繰越利益、当期未処分利益が記載されます。
前期未処分利益は、株主総会で処分しないで当期に持ち越しとなった額で、それを当期利益に加算したのが当期未処分利益です。
これが当期の決算日後三か月以内に開催される定時株主総会で処分の対象になります。
貸借対照表、損益計算書のそれぞれの見方はわかったのですが、二つを組み合わせて見るとどのようなことがわかりますか。
貸借対照表は期末の財政状態を、損益計算書は当期の経営成績を示す表ですが、両者の関係はどうでしょうか。
資本は抽象概念、資本の増減を説明する損益も抽象概念です。
しかし貸借対照表方程式により、利益によって資本が増加すれば、資産が同額増加することがわかります。
資産は現預金、建物、土地など具体物ですし、無形固定資産や債権であっても、れっきとした価値のあるものです。
債権は現金で回収できる権利ですし、借地権など無形ではあっても売ることができます。
損益計算書に売上高が記載されますが、これも当然、抽象概念です。
それと貸借対照表との関係は、すでに現金で回収してそのまま残っている、あるいは回収した現金の一部は商品の仕入れに使い、商品として手持ちしている。
さらには売掛金として残っている、といった様々な状況があるでしょう。
費用についても同様です。
これまで簿記を勉強したことがないのですが、簿記の仕組みはどうなっているのですか。
コンピュータ会計が進んでいる現代に、いまさら簿記なんか必要ない、経営活動が行われる各部署で端末により人力すれば、結果はコンピュータでアウトプットされる、確かに経理システムを作る時は時間と労力がいるが、出来上がればブラックボックスでもいい、アウトプットを読んで利用することで十分だ、などの意見があります。
処理の仕組みがブラックボックスでも、アウトプットの利用方法を知っていればいいとの考え方は、よく自動車の運転で説明されます。
自動車の機械的構造を知らなくても、計器の見方とハンドル、アクセル、ブレーキなど運転機器の操作が出来れば、運転できるというものです。
そうではあっても、経理システムの再構築を検討するケースでは、困るのではないかと反論も出ますが、その時は外部の専門家に頼めばいい、サブシステムならレディーメードを買ってくればいいとの答えが返ってきます。
複式簿記とは簿記上の取引を、借方と貸方の二面から記録し、最終的に貸借対照表と損益計算書を作る技法です。
まず簿記上の取引とは何かです。
日常用語でいう取引と簿記上の取引の異同を理解することが先決です。
日常用語の取引は、商品の売り買いや役務契約を指しますが、これらは簿記上の取引です。
もちろん簿記は金額で記録しますので、単なる契約ではなく、何らか金額の動きが事実として発生する必要があります。
日常用語では決して取引とは言わないことが、簿記上では取引となるものもあります。
例えばよい話ではありませんが、泥棒に商品を盗まれた場合です。
なぜでしょうか?複式簿記の最終目的が、貸借対照表と損益計算書を作ることにあるからです。
すでに説明したように、貸借対照表は資産、負債、資本の期末残高を表示します。
したがって複式簿記は、資産、負債、資本に変動を与える一切の事実を記録対象にするものです。
泥棒に商品を盗まれれば、資産が減少しますから、簿記上は当然取引となるのです。
次に借方、貸方の二面記録を説明しましょう。
複式簿記を理解できるか否かは、ここにかかっています。
借方は左側で、資産を示します。
貸方は負債と資本で右側です。
これは貸借対照表がそのようになっているから、そのように決めてあるだけです。
そこである取引が簿記上の取引だと認識されたら、借方と貸方の二面から記録します。
これを仕訳といいます。
例えば一〇〇万円を銀行から借り入れた場合に、(借方)現金一〇〇万円、(貸方)借入金一〇〇万円とします。
事実は一つですが、それを現金という資産の立場からと、借入金という負債の立場から二面的に記録します。
金額が二つ記録されていても、加算も減算も出来ないことは、資産と負債の本質が違うので自明の理です。
なぜこんなややこしい記録の仕方をするかといえば、最終的に貸借対照表を作るためです。
あらゆる取引を資産、負債、資本の変動として、しかも借方と貸方の二面から常に記録していけば、まとめると自動的に貸借対照表が作れることになります。
データの記録から財務諸表を作成する方法を、誘導法といいます。
複式簿記は誘導法です。
誘導法に対する言葉は財産法ですが、これは期末の財産在り高を確定するのに、期末日に建物がいくらあるか、土地はいくら、といった具合に、あらゆる財産を調査する方法ですが、現実には出来る相談ではありません。
これに対し誘導法だと、取引発生の都度記録がとってありますから、それを整理することで財産在り高を確定することができます。
仕訳は勘定科目を使って行います。
資産、負債、資本といっても各々中身は多種ですから、より明瞭に内容を示すために細分するのです。
例えば資産を現金、預金、受取手形、売掛金、商品、製品、原材料、半製品、建物、構築物、機械装置、土地、借地権といった勘定科目に細分します。
負債であれば支払手形、買掛金、借入金といった具合です。
そこである事実が発生したら、それが貸借対照表に変動を与えるかどうかを考え、そうであれば簿記上の取引と認定し、借方勘定科目は何か、貸方勘定科目は何かを決め、左右に同一金額で記録することになります。
決算日までの記録が終わったら、一期間をまとめて貸借対照表と損益計算書を作成します。
簿記を理解する上で、一番厄介なのが仕訳です。
今ではコンピュータで仕訳する会社が多く、わからなくてもいいやとも思われますが、簿記の基本ですからそうもいきません。
EDP会計では、取引を類型化して、同種取引を同一仕訳となるようにルール化してありますが、時に重大な取引でどうしても入間が仕訳を考えねばならぬことも起こります。
その時、仕訳の基本がわかっていないと困ります。
このように仕訳していけば、全ての仕訳をまとめると、いつでも借方合計と貸方合計は同一金額になりますし、資産がいくら、負債や資本がいくらかも算出できます。
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